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過去には男子トーナメントも開催された関西の名門コースが、2008年コース改造により新しく生まれ変わった

よみうりカントリークラブは、関西を代表する名門コースである。開場は1961年（昭和36年）。コース設計は、名匠・上田治の手による。

上田氏は、良きライバルであった井上誠一氏が「柔の井上」と呼ばれたのに対して、「剛の上田」と呼ばれたコース設計家である。大量の土を動かして地形を大胆に変えコース設計を行ったことからこう呼ばれのだが、全体的に地形を変えてしまうのではなく、いくつかのホールに特徴的な地形をそのままに残しつつホール作りを行ったのが上田氏のコース設計の特徴である。

よみうりカントリークラブは、そんな上田氏のコース設計を象徴するコースに仕上がっている。大量の土を動かしてフラットに仕上げたホールもあれば、丘陵の地形を上手く生かしたアップダウンがあるホールもある。それらを絶妙に組み合わせたうえで、各ホールを松林でセパレートしてひとつのまとまりのあるコースに仕上げている。そしてその松林が、戦略性を高めるとともに、豊かな景観を演出している。

コースは18ホール・パー72。バックティで6831ヤード（アウト3370ヤード、イン3461ヤード）、チャンピオンティで7236ヤード（アウト3546ヤード、イン3690ヤード）。設計当初からトーナメントを意識した本格的なチャンピオンコースとして作られており、開場時のセレモニーには当時世界的プレーヤーであったアーノルド・パーマーとゲーリー・プレーヤーを招へいし、模範プレーが披露されている。

現在同コースでトーナメントは開催されていないが、過去には男子トーナメントの「日本シリーズ」と「よみうりオープン」が長きに渡って開催されていた。特に日本のメジャートーナメントのひとつである「日本シリーズ」は、1974年の第一回大会から1994年まで開催された。その頃同トーナメントは、姉妹コースの「東京よみうりカントリークラブ」との共同開催及び交互開催という形で開催されていたのだが、その過程で1987年に優勝者が2人誕生するという珍しい事件が起こっている。

1987年は、予選ラウンドは西の「よみうりカントリークラブ」、決勝ラウンドは東の「東京よみうりカントリークラブ」で開催された共同開催の年であったのだが、「よみうりカントリークラブ」で開催された初日が雪で中止。さらには「東京よみうりカントリークラブ」で開催された最終日も雪で中止。その結果、青木功プロとデビッド・石井プロの2人優勝となったのである。

なお数多くのトーナメントプレーヤーを魅了した上田治氏設計の同コースは、2008年に長渡誉一氏設計、プロゴルファーの鈴木規夫プロ監修で大改造が行われている。ツーグリーンをベントのワングリーン変え、同時にティ位置なども変更して距離を伸ばした。その結果、上田治氏という“古”の英知に“近代”の英知がプラスされた“新旧融合の、一度はプレーしてみたいコース”へと生まれ変わった。

基本情報

コースレイアウト

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