南山カントリークラブ
名匠・井上誠一氏の「最後の傑作」となった名門倶楽部。ゴルフの厳しさと自然の美しさを堪能できる
南山カントリークラブは「世界ゴルフ場100選」にも選出された、名匠・井上誠一氏設計の晩年の傑作として知られているが、中部経済界の名士たちが携わって創り上げた名門倶楽部である。南山CCが開場したのは1975年(昭和50年)。つまり、第1次オイルショック直後のことで、会員制クラブとして開場できたのは、中部地区の経済界のバックアップがあってのものだった。それだからこそ、中部地区を代表する名門倶楽部となったのは当然の成り行きであった。
そのような背景の中で井上氏は、豊田市中金地区の尾根と谷が交錯する高低差が35メートルほどある35万坪の山林に挑んだ。関東地区に井上氏が設計したコースはフラットな林間コースと言うイメージが強いが、それは用地が最初からフラットだったためで、南山CCをラウンドすると、いかに井上氏が元々の自然を活かすことが巧みだったかをうかがい知ることができる。山林や巨岩を残す一方でウォーターハザードを組み込み、四季折々の景色の移ろいの楽しみと戦略性の高さを提供した。フラットなコースが名コースであると思っている人は、アップダウンがあってピンの先端部しか見えないホールや距離が出ないと越えない谷越えのホールなどに最初は戸惑う。しかし、自分の技量に見合うマネージメントでショットをつないでいけば満足できるスコアで上がることが分かり、ホールを重ねるにつれてチャレンジングな気持ちになってくる。そういうことからも、井上誠一氏設計=フラットな林間コースという思いを抱いているゴルファーにはプレーしていただきたい。
代表的なホールは、14番542ヤード(レギュラーティーから515ヤード)の「地獄谷」と名付けられたパー5ホール。ティーグラウンドの正面に右から谷が入り込んでいて、谷を越すためには225ヤード(レギュラーティーからは200ヤード)のキャリーが必要となる。バックティからプレーするゴルファーにもレギュラーティーからプレーするゴルファーにも微妙な距離の谷越えのホールとなっている。第2打地点からは緩やかな打ち下ろしになっているから、ティーショットで谷を越すことができればバーディーのチャンスもあるが、少しでもティーショットに不安がある日は、谷の左に用意されているフェアウェイからのルートに打って行くのが賢明な策となる。ただし、左にもOBがあるので、距離を欲張らずに打って行くことが大事。17番189ヤード(レギュラーティーから162ヤード)のパー3ホールはやや打ち下ろしの大きな池越えで、湖面にグリーン奥の美しい自然の山林が映る。特に紅葉のシーズンは楽しみのひとつだ。
威風堂々と佇む白壁と濃紺の茅葺のクラブハウスの中のレストランは、ナゴヤキャッスルホテルの直営。ビーフカツサンドはメンバーのいち押し。
基本情報
設計者 | 井上誠一 |
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全長 | 6964ヤード |
ホール数 | 18 |
パー | 72 |
コースレート | 73.1 |
形状 | 丘陵 |
グリーン | 2ベント |
練習場 | 34打席 |
メタルスパイク | 不可 |
コースレイアウト
推奨ホール D:ドラコン N:ニアピンOUT | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
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PAR | 4 | 5 | 4 | 3 | 4 | 5D | 3N | 4 | 4D | 36 |
HDCP | td>93 | 11 | 15 | 5 | 1 | 17 | 13 | 7 | ||
Back | 401 | 538 | 406 | 206 | 416 | 540 | 158 | 388 | 436 | 3489 |
Reg. | 375 | 493 | 376 | 172 | 392 | 511 | 141 | 357 | 407 | 3224 |
IN | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 計 |
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PAR | 4 | 4 | 3 | 4D | 5 | 4 | 5D | 3N | 4 | 36 |
HDCP | 6 | 14 | 16 | 12 | 4 | 2 | 8 | 18 | 10 | |
Back | 399 | 369 | 221 | 446 | 518 | 448 | 498 | 176 | 400 | 3475 |
Reg. | 369 | 344 | 181 | 410 | 491 | 420 | 476 | 149 | 372 | 3212 |