門司ゴルフ倶楽部
80年の歴史と伝統を誇る福岡県最古のゴルフ場。最終18番は美しくも難易度の高いパー3のホール
門司ゴルフ倶楽部の開場は、戦前の1934年(昭和9年)のこと。出光興産の創業者である出光佐三氏の発起で重機に頼ることなく9ホールのコースが誕生した。現存する倶楽部では福岡県最古のゴルフ場。間もなく開場80周年を迎える歴史と伝統を誇る九州地区を代表する名門倶楽部である。設計は古賀ゴルフ・クラブなども手掛けた名匠・上田治氏で、1953年(昭和28年)に18ホールが完成した。
コースの規模は、バックティーから6,750ヤード、レギュラーティーから6,464ヤード・パー72。コースレートはバックティーが72.4、レギュラーティーが71.0。距離に対してコースレートが高いのは、それだけ戦略性が高い。18ホールは余裕のある敷地に自然との調和を図りつつレイアウトされていながら、次のホールまでのインターバルが短く、リズム良くラウンドできる。特徴は、各ホールが松林でセパレートされていてティーグラウンドからほとんどのホールのグリーンが見渡すことができるが、上田治氏設計特有の小高くなっているグリーンの周りにはアゴの高いアリソンバンカーが配されている。そしてグリーンは、このコースの最大の特徴とも言える、姫高麗芝のグリーン。1960年(昭和35年)に造成されたサブグリーン、2002年(平成14年)に床構造がサンド化された本グリーンとも、従来の伝統を守って高麗グリーンである。ただし、高麗グリーンと言っても、水はけの良さとメンテナンスが行き届いていることからグリーンは速い。しかも高麗グリーン特有の芝目があるため、初めて訪れるゴルファーはグリーン上でも苦戦を強いられる。
当然個性的なホールが多いが、一番強く印象に残るは18番パー3。最終ホールがパー3というのも珍しいが、しかもティーグラウンド目の前からグリーン手前に配されているガードバンカーのすぐ手前まで広大な池が広がっている。バックティーから180ヤード、レギュラーティーから140ヤードだが、池の左部分が広くなっていて、グリーン奥は小高い森になっているために風の向きや強さを判断しづらい。池や手前のガードバンカーを避けようと大きいクラブを使ってグリーンオーバーさせてしまうと、次は下りの順目のグリーンへのアプローチショットとなり、ピン位置によってはバンカーまで転がりかねない。パーが取れても取れなくても、一生の思い出となる美しくも難易度の高いホームホールだ。
最後にクラブハウスにも触れよう。1960年(昭和35年)に竣工されたクラブハウスはアントニン・レーモンド氏(帝国ホテルを設計)による設計で、クラブ開場65周年の1998年(平成10年)に歴史的価値のある建造物として、BELCA賞という賞を受賞した。ゴルフ場のクラブハウスでは初めての受賞で、格式のあるクラブハウスも楽しみの一つだ。
基本情報
設計者 | 上田 治 |
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全長 | 6906ヤード |
ホール数 | 18 |
パー | 72 |
コースレート | 71.9 |
形状 | 丘陵 |
グリーン | 2高麗 |
練習場 | |
メタルスパイク | 不可 |
コースレイアウト
推奨ホール D:ドラコン N:ニアピンOUT | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
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PAR | 4 | 5 | 3 | 5D | 3N | 4 | 4 | 4 | 4 | 36 |
HDCP | 11 | 3 | 15 | 1 | 17 | 7 | 5 | 13 | 9 | |
Back | 380 | 515 | 195 | 565 | 170 | 420 | 435 | 355 | 395 | 3430 |
Reg. | 365 | 500 | 185 | 545 | 155 | 400 | 415 | 340 | 385 | 3290 |
IN | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 計 |
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PAR | 5D | 3 | 4 | 4 | 4 | 4 | 5 | 4 | 3N | 36 |
HDCP | 2 | 16 | 6 | 8 | 14 | 10 | 4 | 12 | 18 | |
Back | 525 | 225 | 420 | 350 | 360 | 395 | 520 | 345 | 180 | 3320 |
Reg. | 505 | 200 | 410 | 340 | 340 | 370 | 515 | 320 | 140 | 3140 |